営業研修のカリキュラム例|目的・対象別の内容と設計のポイント

営業研修のカリキュラム例と、目的・対象者に合わせた設計のポイント

営業研修のカリキュラムは、営業に必要な知識やスキルを並べるだけでは、自社に合っているか判断できません。会社が目指す方向、営業組織の状況、そして営業担当者が向き合う顧客を踏まえて、何を学ぶ必要があるかを考えることが大切です。

例えば、商品説明は十分にできるものの、顧客が何に困っているのかを捉えられていない場合、説明技術だけを学んでも、その課題には対応できません。顧客の状況を理解し、課題の仮説を立て、対話を通じて確かめるところから考える必要があります。

信頼の営業学では、営業を「顧客の悩みを解決する仕事」と捉えています。そのため、研修でも、顧客への関心を土台に、営業の考え方・進め方・技術をつなげて学ぶことを重視しています。

この記事では、営業研修の目的と内容、対象者別のカリキュラム例、設計手順、実施方法、委託先の選び方を解説します。一般的な設計例と、信頼の営業学の本科の構成を分けて紹介しますので、自社に必要な研修を検討する際の参考にしてください。

目次

1.営業研修の目的は、現場で変えたいことから整理する

売上目標と学習課題の切り分け、および個人習得と組織支援の整理構造図

営業研修の目的は、受講すること自体ではなく、業務に必要な考え方や判断、行動を身につけることです。売上などの事業目標と、研修で扱う学習課題を分けて整理すると、必要な内容を選びやすくなります。

売上の目標と、営業活動の課題を分ける

「営業力を高めたい」「売上を伸ばしたい」だけでは、カリキュラムは決まりません。商談機会が不足しているのか、顧客理解に課題があるのか、提案の価値が伝わっていないのかによって、学ぶべき内容は異なります。

例えば、提案後に商談が止まる場合でも、すぐにクロージングの技術が不足していると決めつけず、それまでのやり取りを確認します。顧客が何を判断したいのか、そのための情報が揃っているか、次の対応について合意できているかを振り返ると、扱いたい場面を具体化できます。

また、商品の供給体制や価格設定、営業担当者の権限に問題があるなら、教育とは別の対応も必要です。成果が出ない理由をすべて社員の能力に求めず、研修で扱う課題と、組織として見直す課題を切り分けます。

個人の習得と、組織で共有したいことを決める

個人が営業技術を学ぶことと、組織で営業を育てることは、関連していますが同じではありません。受講後に上司が何を確認し、どのように支援するかも考えます。

例えば、受講者が顧客理解の重要性を学んでも、上司との面談が訪問件数の確認だけなら、顧客について何を理解したのかを共有する機会がありません。人事担当者と営業責任者の間で、研修後に振り返る内容を事前に揃えておきます。

全員の話し方を同じにする必要はありません。共通にしたいのは、顧客について確認する情報、提案前に整理する論点、相談が必要な場面などです。その土台を共有しながら、表現や関係づくりには各担当者の強みを活かせる余地を残します。

2.営業研修で扱う基本的な内容

営業マインドを土台に営業プロセスと対話技術が積み重なる営業研修の基本内容構造図

営業研修の内容は、顧客に向き合う姿勢、営業活動の進め方、対話の技術をつなげて整理できます。商品知識や社内ルールなど、自社で補う教育との分担も確認します。

営業マインドと顧客への関心

信頼の営業学では、営業の出発点として、顧客に興味を持ち、相手を知ろうとする姿勢を重視しています。自分が話したいことや提案したいことに意識が偏ると、顧客が考えていることや置かれている状況を十分に理解できないまま、説明を進めてしまいます。

研修では、営業の仕事をどう捉えるかというマインドを、実際の顧客対応に結びつけて考えます。目先の売上だけに意識を向けず、顧客の悩みや課題に耳を傾け、長期的な信頼関係を築こうとする姿勢が土台です。

当社では、身だしなみを整える、気持ちよく挨拶する、待ち合わせの時間を守るといった基本も大切にしています。特別な話法だけに目を向けるのではなく、日々の振る舞いと、顧客が受け取りやすい説明の流れを含めて営業を捉えます。

営業プロセスと商談の準備

営業プロセスでは、商談の各場面で何を理解し、何を確認して次へ進むかを学びます。手順を暗記するだけでなく、それぞれの段階が顧客にとってどのような意味を持つのかを考えます。

準備の段階では、顧客についてわかっている事実と、まだ確かめていない仮説を分けます。提案を考える段階では、顧客の課題と、自社が提供できる価値の関係を整理します。商談後は、合意した事項や、次に確認することを記録し、必要に応じて新たな仮説を立てます。

顧客管理システムを使う企業では、研修内容と日々の記録項目も照合してください。入力操作を覚えることと、営業判断に役立つ情報を整理することは別の学習課題です。何のために記録し、誰がどう活用するかまで整えることで、蓄積している情報を活かすことができます。

ヒアリング・提案(プレゼンテーション)・意思決定を支える対話

対話技術では、質問の数や話す流暢さだけでなく、相手の状況を理解し、判断に必要な情報をやり取りできるかを扱います。

ヒアリングでは、現状と理想を顧客の言葉で伝えてもらうことが大切です。そのギャップこそが顧客にとっての悩みや問題なのです。提案(プレゼンテーション)では、その顧客の悩みや問題を解決するために、どのような価値を提供できるかを説明します。商品やサービスの紹介や説明は、価値を顧客に感じていただけた後でなければいけません。

知識として説明できることと、顧客の返答を受けて次の対応を選べることは異なります。そのため、講義のほかに、考える時間、話す時間、振り返る時間を確保することを重視しています。

3.目的別に考える営業研修のカリキュラム例

現場課題に応じた学習内容と習得確認例をまとめた目的別カリキュラム整理表

カリキュラムは、改善したい課題に合わせて学ぶ順番を組み立てます。以下は企業が設計を検討するための一般例であり、信頼の営業学が販売する専用コースや導入実績を示すものではありません。

扱いたい課題学ぶ内容の例演習の例習得の確認例
商品説明が先行する顧客理解、質問の目的、価値の整理提案前に必要な情報を考える事実と仮説を分けて説明できる
商談の進め方がばらつく営業プロセス、各段階の確認事項商談記録から次の行動を考える行動を選ぶ理由を説明できる
提案が課題とつながらない課題整理、提案の組み立て顧客の状況と商品の価値を結びつける提案が何の解決に役立つかを説明できる
提案後の対応が曖昧になる判断条件の確認、次の対応の合意未確認事項と持ち帰り事項を整理する双方の次の行動を明確にできる
指導が担当者任せになる観察、フィードバック、育成計画同じ商談例を指導者同士で検討する助言の根拠を共有できる

営業の基礎を整理する構成例

基礎を学ぶ場合は、営業の役割を理解し、商談全体の流れを把握したうえで、具体的な場面を練習する構成が考えられます。

例えば、「営業の役割を整理する」「顧客について理解する」「提案までの流れを学ぶ」「一つの商談場面を練習する」「現場で試すことを決める」という順番です。講師の説明を聞くだけでなく、自分が扱う商材や顧客に置き換える時間も設けます。

商品知識や社内手続きの教育も必要なら、一つの研修にすべて詰め込まず、社内教育と分担します。演習に必要な知識が不足している場合は、事前学習を組み合わせる方法も検討できます。

特定の課題を扱う構成例

改善したい場面が明確なら、その場面に絞って学ぶ構成も考えられます。例えばヒアリングを扱う場合は、質問の言い回しを増やす前に、何を理解するために聞くのかを整理します。

進め方の例は、「困る場面を振り返る」「足りない情報を整理する」「質問の目的を考える」「対話を練習する」「次の商談で試すことを決める」です。提案がテーマなら、顧客の課題と説明内容のつながりを点検する時間を中心にします。

時間が限られる場合は、全体像を学ぶのか、一つの場面を繰り返し練習するのかを明確にしてください。扱う内容だけでなく、今回は扱わない内容も共有すると、研修に対する期待を揃えやすくなります。

4.新人・若手・中堅・管理職で変える研修内容

新人・若手・中堅・管理職の各階層における営業研修の重点テーマ比較図

対象者別の設計では、年次に加えて、任せている仕事と実際の習得状況を見ます。同じ経験年数でも、担当する顧客や商材、経験した場面は異なるためです。

新人には、業務の全体像と判断の基礎

新人向けでは、営業の仕事の流れと顧客対応の基本から考えます。商品・サービスの知識、ビジネスマナー、報告や相談なども含め、必要な初期教育を整理します。

演習は、複雑な商談全体を任せる前に、訪問の目的を説明する、相手の話を確認する、不明点を持ち帰るといった場面に分けられます。どこまで自分で回答し、どこから上司に相談するかも、実務に入る前に確認したい内容です。

習得状況は「理解できた」という自己申告だけでなく、説明や短い演習で確認します。その結果をOJTの担当者へ引き継ぎ、現場で次に何を練習するかを揃えておきます。

若手・中堅には、経験の振り返りと判断の言語化

若手・中堅向けでは、自分の営業経験を振り返り、判断の理由を言葉にする内容が考えられます。うまくいった商談だけでなく、提案が進まなかった場面も検討材料になります。

ただし、受注したからすべての行動が適切だった、失注したからすべて間違っていた、と評価しないことが大切です。顧客や商品側の条件も含め、その時点で何を理解し、何を根拠に対応したのかを振り返ります。

後輩の育成を担う社員には、自分ができることを他者へ説明する練習も検討します。「もっと深く聞く」「経験で判断する」といった言葉を、他の社員も確認・実行できる内容へ置き換えていきます。

管理職には、指導と組織の課題を扱う内容

管理職向けでは、本人の商談技術に加え、部下の状況をどう捉え、どう支援するかを考えます。営業戦略や案件管理と、人材育成をどう結びつけるかも論点です。

例えば、案件の進捗確認で結果だけを聞くのか、顧客について何がわかったかまで聞くのかによって、指導に使える情報は変わります。同じ商談記録を複数の管理職で検討し、確認したい点や助言の違いを共有する方法もあります。

管理職の課題が人員配置や目標設定にあるなら、営業担当者向けの対話研修だけでは範囲が足りません。研修で扱う範囲と、組織運営として見直す範囲を区別してください。

5.自社に合ったカリキュラムを設計する手順

事業・顧客理解から実施条件の照合に至る営業研修カリキュラム設計の4ステップフロー図

自社に合う内容を考えるには、会社の事業と方向性、顧客、営業組織、受講者の順に状況を具体化します。そのうえで、学習目標と実施条件を照合します。

事業と顧客を理解し、営業スタイルを描く

信頼の営業学では、研修の相談を受けた際、何を販売している会社なのか、今後どのように事業を大きくしたいのかを確認します。あわせて、営業組織にどのような人がいて、それぞれがどう動いているのかを聞きます。

特に重視するのは、その企業の顧客です。法人相手なのか、一般消費者相手なのか、企業を通じて消費者へ届ける事業なのか。顧客の属性と提供するものを具体的に確認し、実際の営業スタイルをイメージします。

そのうえで受講者の状況を捉え、どのような内容が成長につながるかを検討します。会社の要望を聞くだけでなく、その先にいる顧客まで理解することが、内容を考える出発点です。

目指す姿と、研修で確認することを分ける

目指す営業像を決めたら、研修の中で何を確認するかを具体化します。例えば「顧客に関心を向ける」という姿勢を重視する場合でも、その習得を何らか一つの指標だけで判断しようとする必要はありません。

設計上の確認例としては、商談準備で顧客の情報を事前に調べているか、事実と仮説を分けて考えられるか、対話の中で得た情報をもとに理解を更新できるか、といった観点があります。

研修時に演習等で考え方を理解していただいた上で、その後の実務にてそれらを活かしていただくことが重要です。学んでいただく内容の目的と手段を理解し、それらを各顧客の状況に当てはめて使い分けることが大切です。

時間・人数・準備・社内の支援体制を照合する

内容が決まったら、時間や人数などの条件と照合します。講義時間だけでなく、受講者が考え、体験し、フィードバックを受ける時間を確認します。

事前課題の有無、商材情報の共有、管理職や経営者が参加するか等についても決めます。参加人数に対して、講師がどの範囲まで演習を見られるかも確認します。

6.顧客理解を、目の前の要望だけで終わらせない

顕在ニーズから潜在ニーズへの深掘りと対話による仮説検証プロセスを示す顧客理解の構造図

信頼の営業学では、顧客が口にした悩みを把握するだけでなく、その背景にある状況を理解することを重視しています。顧客理解は、営業の最初だけに行う作業ではなく、対話を通じて深め続けるべきものと捉えています。

周囲の環境や関係者まで視野を広げる

当社が顧客理解の深さを判断する際に重視するのは、顕在ニーズにとどまらず、潜在ニーズまで深堀りできているかという点です。ここでいう潜在ニーズは、顧客自身がまだ気づけていない困りごとや、言語化できていない悩みを指します。

潜在ニーズまで深堀りするには、目の前の顧客がどのような環境で事業を行い、どのような人と関わり、その先に誰を顧客として持ち、顧客の顧客に対してどのような価値を提供しているかまで理解を深める必要があります。顧客の顧客が抱える悩みと、それに応えようとする相手の状況を理解することも、課題を考える手がかりです。

ただし、例えば一般消費者への直営業で、同じ事業上の質問を機械的に当てはめようというではありません。商材に関係する生活や利用の状況、関わる人、実現したいことなど、その顧客に合う情報が何かを理解するのが重要です。

課題の仮説を立て、顧客との対話で確かめる

周辺情報から課題が見えてきても、営業側の解釈だけで確定させません。信頼の営業学では、自分が考えた仮説を、顧客との対話で確かめることを重視しています。

その際、課題の有無を一方的に尋ねるだけでなく、顧客の立場に寄り添った話の流れを準備し、顧客自身が自分の状況や悩みを言葉にできるように進めます。本科で扱うCAPTAIN話法・SAFER話法も、そのための対話の手法として位置づけています。

当社は、顧客自身から課題についての言葉が出ることを、仮説を確かめる手がかりとしています。課題があること、解決の優先度が高いこと、自社の提案が適していることは、それぞれ分けて確認する必要があります。顧客の発言を、購入意思の確認まで済んだものとして扱わないためです。

悩みを、取り組める課題として整理する

信頼の営業学では、悩みを現状と理想のギャップとして整理します。現在どのような状態で、本来はどうなりたいのかを理解し、その差を埋めるために何が必要かを考えます。

研修では、悩みや問題を聞いて終わるのではなく、解決に向けて取り組める課題として捉えることを扱います。営業プロセスを学ぶ中で、顧客理解、課題設定、要件定義などを、商談の進め方の理解を深めます。要件定義とは、解決のために満たす必要がある条件を整理することです。

ただし、解決できると説明するには、提供できる範囲や条件を確認する必要があります。顧客の不安を作り出したり、できないことを約束したりするという意味ではありません。

7.法人営業と個人営業で調整するポイント

法人営業と個人営業の共通の基本姿勢と関係者・接点に応じたカリキュラム調整ポイントの比較図

顧客の状況を理解し、意思決定を支えるという考え方は、法人営業にも個人営業にも共通します。一方、演習の設定や確認事項は、実際の営業形態に合わせます。

意思決定に関わる人と条件を合わせる

法人営業で、担当者のほかに利用部門や決裁者が関わる場合は、それぞれに必要な情報を考える練習ができます。目の前の担当者の要望だけで、組織全体の判断条件までわかったと捉えないことがポイントです。

個人営業でも、家族が購入や利用に関わる場面があります。誰が使い、何を優先し、誰と相談するのかを、商材に関係する範囲で理解します。

「法人は論理、個人は感情」と固定的に分けず、実際の判断場面を確認してください。また、企業を介して消費者へ商品やサービスを届けるB2B2Cの事業では、直接の取引先と、その先の利用者の双方をどう理解するかが検討事項になります。

営業の接点と商談の流れを合わせる

新規開拓、反響営業、店舗での接客などでは、顧客と接点を持つまでの経緯が異なります。訪問、電話、オンライン商談といった方法も、演習を考える前提です。

例えば、問い合わせがあっても、相手が購入を決めているとは限りません。情報収集なのか、候補を比較しているのか、具体的な条件を確認したいのかによって、必要なやり取りは変わります。

研修会社には、業種名だけでなく、接点を持つ経路、商材、提案までの流れ、担当者の役割を伝えます。その情報をもとに、講義や演習を自社に置き換えて考えられるかを確認します。

8.実施方法とロールプレイの組み合わせを考える

4つの研修実施方法の特徴とロールプレイ設計・振り返りの要点整理図

実施方法は、受講のしやすさと、何を学び、どう確かめるかで選びます。対面・オンライン・eラーニング・OJTを、目的に応じて組み合わせる方法もあります。

方法設計上の使いどころ確認すること
対面研修同じ会場で対話や演習を行う会場、移動、人数、演習スペース
ライブのオンライン研修離れた拠点から同時に参加する通信環境、発言機会、演習の進行
eラーニング動画や教材で知識を学び直す学習時間、理解度の確認、質問先
OJT実際の業務で練習・指導する指導担当、実践機会、確認の基準

形式だけでなく、参加と練習の条件を見る

オンラインでは移動せず参加できますが、同時開催なら時間の確保は必要です。演習を行う場合は、組み分けや講師の巡回、資料共有などの進め方を確認します。

対面とオンラインを同時に実施するなら、双方の参加者に発言や練習の機会をどう確保するかも検討します。eラーニングでは、視聴したことと、顧客に合わせて対話できることを分けて考え、必要に応じて演習や現場実践を補います。

社内教育と外部研修も役割を分けられます。例えば商品知識は社内で、営業の考え方や進め方は外部研修で、実際の顧客対応はOJTで扱う構成です。その場合、社内の指導者も研修の考え方を共有しておきます。

ロールプレイは、学習目標と振り返りをセットにする

ロールプレイを取り入れる場合は、何を練習し、どこを観察するかを決めます。以下は一般的な設計案であり、本科の個別演習の手順を公開するものではありません。

ヒアリングがテーマなら、契約まで進めることを必須にせず、顧客の状況を理解する場面へ集中できます。顧客役には、困っていること、すでにわかっていること、まだ決めていないことなどを設定します。

振り返りでは「よかった」「押しが弱い」といった印象だけでなく、どの場面のどの対応を見たのかを具体化します。営業役が何を理解したと考えたかと、顧客役が何を伝えたつもりだったかを照合し、認識の違いを検討する方法があります。

また、一つの演習だけで顧客理解から提案までが完成すると考えず、講義、演習、実践を全体の中でつなげます。フィードバック後に同じ場面を試す時間を設けるかも、設計時に確認してください。

9.研修後の実践と効果測定まで設計する

営業研修の効果を理解・行動・成果の3段階に分けて測定・支援する効果測定設計図

研修の評価では、受講者の感想、理解、現場での行動、営業成果を分けて確認します。満足度だけで売上への効果を判断せず、何が変わったかを段階ごとに見ます。

顧客に関心を向ける姿勢を、日々の実践につなげる

信頼の営業学で受講者にまず期待するのは、顧客に興味を持ち、相手を知ろうとする姿勢です。自分の提案を伝えることばかりに集中せず、顧客が何を考え、何に関心を持ち、どのような状況にいるかへ意識を向けることを重視します。

これは、一つの行動だけで達成を判定するものではありません。研修後の振り返りでは、顧客について新たにわかったことや、それまでの見方が変わった点などを共有する運用が考えられます。このような振り返りは、企業が研修後の運用を考える際の一案です。

また、学んだことを試せる機会があるかを確認します。担当業務によって商談の機会が少なければ、社内での練習や同行などを検討し、上司や育成担当者が支援する内容を決めます。

理解・行動・成果を区別して確認する

理解を確認するなら、考え方を説明できるか、演習で使えるかを見ます。行動を確認するなら、実際の顧客対応で何をしたかを、商談記録や振り返りから確かめます。

売上や受注を確認する場合は、期間と対象を揃え、担当顧客や商品条件などの変化も確認します。研修後に数字が変わっても、そのすべてが研修によるものとは断定できません。反対に、短期間で数字が変わらないことだけで、学習が無意味だったとも判断できません。

評価は、次に必要な教育を考える材料にもなります。理解が不十分なのか、実践機会がないのか、現場で使う際に難しさがあるのかを分け、確認する時期も商談の期間や研修目的に合わせます。

10.営業研修の委託先を選ぶときの確認事項

カリキュラム根拠・実績の質・費用範囲と社内負担の3つの確認事項を整理した委託先選定図

委託先は、知名度や項目数だけでなく、自社の課題と提案内容の関係を確認して選びます。講師の営業経験、指導方法、実施条件を分けて比較してください。

内容を選ぶ理由と調整の範囲を確認する

提案されたカリキュラムについて、なぜその順番なのか、どの課題を扱うのか、何ができる状態を目指すのかを確認します。自社の状況と内容の関係が説明されているかが検討のポイントです。

カスタマイズも、何を変更するのかを具体的に聞きます。事例の業種を変えるのか、演習を作るのか、時間配分を変えるのかによって、準備や対応範囲は異なります。

講師個人の営業実績と、研修受講企業の成果は別です。事例を確認するなら、対象者、実施内容、期間、確認された変化を見て、自社の課題にどう関係するかを考えます。受講者の感想を、売上改善の証明として扱わないことも大切です。

費用に含まれる範囲と社内負担を確認する

費用は、研修当日だけでなく、打ち合わせ、教材、演習準備、実施後の支援などの範囲と合わせて確認します。公開講座の一人当たり費用と、企業内研修の総額も分けて比較します。

社内には、資料準備、受講時間、管理職の関与などの負担があります。金額だけでなく、実施に必要な役割を整理してください。

契約前には、日程変更の扱い、教材を利用できる範囲、共有情報の扱いも確認します。必要な内容と支援が含まれているかを整理したうえで、費用を検討することが大切です。

11.「信頼の営業学」の本科は、3回全体で顧客理解を深める

営業マインド・営業基礎力・営業テクニックの3回連動構成と顧客理解の深化プロセス図

信頼の営業学の本科は、営業マインド、営業基礎力、営業テクニックをつなげて学ぶ3回構成です。顧客理解、課題の仮説、対話による確認を、研修全体で身につけることを目指しています。

回学ぶ領域本科での位置づけ
第1回営業マインド編営業の仕事を捉え直し、自己理解と顧客理解の姿勢を学ぶ
第2回営業基礎力編商談のプロセスやフェーズを学び、各プロセスにおける核心を理解する
第3回営業テクニック編顧客理解におけるヒアリングの技術と価値ベースの提案話法をつなげて習得する

顧客理解は、最初の工程で終わらない

本科では、顧客理解を終えてから仮説を立て、最後だけ対話する、という一方向の流れには捉えていません。最初から顧客と対話し、その中で理解を深め、課題の見方を確かめ続けます。

第1回では、顧客に関心を向け、理解することを手厚く扱います。第2回では、課題発見・課題解決・価値拡張という営業における各フェーズの中で、顧客理解や課題設定などを位置づけます。第3回ではそれらの土台を踏まえて、対話や提案の技術を学びます。

CAPTAIN話法やSAFER話法も、話法だけを使えば顧客理解が完成するという位置づけではありません。事前準備と、それまでの顧客理解を踏まえて使うものとして扱います。

一つのワークではなく、研修全体のつながりを見る

当社は、顧客理解から課題の仮説、対話による確認までを、特定のワークだけで身につけるものとは考えていません。一連の考え方と行動を、研修全体を通じて学ぶ構成です。

導入を検討する際は、個別の話法やロールプレイの名称だけでなく、考え方と進め方、技術がどうつながっているかをご確認ください。受講者が現在どこで困っているかを共有すると、自社で必要な内容を検討しやすくなります。

本科の詳細は、営業研修の概要に掲載しています。公開ページの第3回には商社向けの例が含まれているため、その内容をすべての企業に共通するものとは扱わず、具体的な内容や実施条件は個別にご相談ください。

12.まとめ|顧客と現場を理解し、必要なカリキュラムを選ぶ

カリキュラム選定の視点・積み上げる学習内容・運用の連動サイクルを総括したまとめ図解

営業研修のカリキュラムは、会社の方向性、顧客、営業組織、受講者の状況を踏まえて選びます。内容の多さだけでなく、目的と学習内容、実践、確認方法のつながりを見ることが大切です。

新人には業務の全体像と判断の基礎、経験者には過去の商談を振り返り体系化する機会、管理職には社員を指導・支援するための考え方に加えて社員との共通言語の作り方が検討候補になります。年次だけで判断せず、実際に任せている仕事と習得状況に合わせてください。

信頼の営業学が重視するのは、顧客に興味を持ち、相手を知ろうとする姿勢です。その土台の上に、商談の進め方と対話の技術を積み重ね、顧客の悩みや課題に向き合う営業を目指します。

研修内容を社内で検討・共有したい方は、研修資料の案内ページをご確認ください。具体的な導入条件や費用については、お問い合わせください。

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